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ざわぱんです。
皆さんこんにちは。
今回は小城 武彦さんの著書「衰退の法則 日本企業を蝕むサイレントキラーの正体」について説明します。
いつも通り結論から。
この本は企業の「衰退」する法則についてまとめた書籍です。
まずは「衰退」を以下のように定義しています。
企業が直面する事業環境にうまく対応できず、売上及び利益の減少が一定期間継続すること。
この衰退が続くと、企業は経営困難になり最終的に倒産の道へと進んでいきます。
ではなぜ、この衰退が起きるのか。
衰退が起きないようにするにはどうすれば良いのか。
そこには2つのポイントがあります。
①衰退する企業には4つの特徴がある。
②優良企業には「2つのくさび」がうたれている。
この点について順番に説明していきます。
第1章 衰退する企業には4つの特徴がある。
冒頭伝えた通り衰退する企業には4つの特徴があります。
まずその4つを伝えます。
①経営陣の意思決定プロセス
・社内での対立を極力回避する。
・役職や入社年次、派閥・学閥といった社内秩序を強く重んじる。
・予定調和な意思決定(誰かの意見に寄り添う)
・権限の一極集中
②ミドルによる社内調整プロセス
・事前調整の重視と妥協色の強さ
③ミドルの出世条件・経営陣登用プロセス
・社内調整能力偏重と恣意性・政治色の強さ
④経営陣の資質
・強い社内政治力と低い経営リテラシー・実務能力
これを読むと、確かにこの状態なら「衰退」するのが分かると思います。
ただし、この状態でもすぐに会社が傾くわけではなく、「事業環境が安定していれば、問題として現れてきません。」
怖いのは衰退の自覚症状がないため知らないうちに衰退が進行し、事業環境が変わり、ある日突然病気の重大さに気づいた時です。
本書ではその状態を「サイレントキラー」と呼びます。
このサイレントキラーに陥るのはサイクルとなっており、事業環境が変化した時に「衰退」として現れてきます。
以下がそのサイクルを図解にしたものです。
図1 衰退メカニズム(P123 第1章 破綻企業の内側より抜粋)
では反対に優良企業ではどうなっているか。
今度はそちらを見ていきましょう。
第2章 優良企業には「2つのくさび」がうたれている。
まず優良企業の内側から確認していきます。
優良企業の特徴は以下があります。
①経営陣の意思決定プロセス
・低い予定調和性
②ミドルによる社内調整プロセス
・議論、検討を深める事前調整
③ミドルの出世条件・経営陣登用プロセス
・正論の展開力と人格、公正なプロセス
④経営陣の資質
・高い実務能力と経営リテラシー
これを見ると、衰退企業とは反対のことが出来ているのが優良企業といえます。
しかし優良企業はこれだけではありません。
そこには2つの「くさび」が打たれています。
1つ目のくさび:事実をベースとした議論を尊重する規範
2つ目のくさび:人事部局の統制に基づく公正な人事登用プロセス
図2 サイクル駆動を阻む2つのくさび(P237 第3章 優良企業の内側より抜粋)
まず「くさび1」は経営陣、ミドル層は事実をベースとした議論ができていることです。
社内の派閥闘争に振り回せるのではなく、本当に議論すべきこと時間をかけられているかがあります。
そして「くさび2」は公正な人事プロセスが働いているかです。
出世すべき人が、出世しているか。
もしそうでない場合は注意が必要です。
その時は「衰退」が始まっているかもしれません。
第3章 まとめ
今回は小城 武彦さんの著書「衰退の法則 日本企業を蝕むサイレントキラーの正体」について説明しました。
この本は企業の「衰退」する法則についてまとめた書籍です。
さて、みなさん。
ここで自分の企業・組織に置き換えた時どうでしょうか。
衰退する企業の特徴は当てはまっていないでしょうか。
当てはまってもすぐに「衰退」することはありません。
しかしゆっくりと自分が働いている会社を蝕んでいきます。
その時は自社内だけでなく、事業環境(外の世界)を見てみましょう。
本日はこのへんで。
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